現在、自分もオブジェクト指向入門の研修を担当しているので、じっくり読ませてもらった。
結論から言うと、出色の出来。単なる技術論の本でなくて、OO開発の幅広い実践的な知識が得られる。
新人やホスト系の技術者は、この本一冊を読めば、十分なだけの正確な知識が得られる、他の本を見る必要はないと思う。
中級、上級のOO技術者でも必読だろう。
・細かいところまで、実に良く調べて、正確に書いてある。OOの歴史とか。
・技術面だけでなく、開発SE向けに実経験に基づくプロジェクト運営のコツがいろいろと書いてあって実に面白い。
・デマルコ、ヨードン、XPまで幅広いテーマで、著者の意見が書いてある。
・コラムがとっても面白い。「最悪の社内政治の例」、「オッカムの剃刀」、「安定した構造」
構成
1章 オブジェクト指向とは
・かなり切れのよい切り口でオブジェクト指向開発を定義。「OOは複雑なもの、大規模開発ほど向いている」
・Smalltalkがなぜ、商売面で失敗したか、良くわかった。ツールベンダがタコだったのか。
2章 オブジェクト
・メッセージ、操作、メソッドにわけて説明しているのが印象的だった。この分類だと、メッセージの送り手と、受け手が明確に分離できて、
ネーミングがしやすそう。早速使わせてもらおう。操作とメソッドは、従来、外部インタフェースと内部メソッドなどと言っていたが、これも少
し考えてみよう。
・オブジェクト指向の本質は、私は、多態性と情報隠蔽・カプセルで説明しているが、オブジェクト・ベース言語、クラス・ベース言語というのは知らなかった。
3章 要求定義
4章 オブジェクト指向分析
・Webでの書籍発注システムで分析
・MVCフレームワークの実際
5章 オブジェクト指向設計
・オブジェクトの識別、浅いコピー(shallow)深いコピー(deep)
・デザインパターン
6章 オブジェクト指向プログラミング
・Javaで実装。
・ラッパーの実装
・オブザーバの実装
・RDBとのインタフェースとか、いろいろ。
(01/10/2003 作成: y-kamite)