Nikon F3Limited

ベースは1980年発売のF3。その後82年の3月には眼鏡使用者にもファインダーが見やすいF3HPが発売される。また83年6月には、このF3Limitedと内容的には全く違いの無い(通称)F3Pが報道向け限定で発売されている。
さて、このF3Lであるが、先述したように、報道向け限定のF3Pを一般市販したものと考えて大きな間違いはない。
通常のF3HPからの主な仕様変更点を列記すると、、
1.ファインダーカバー部にチタン材使用。
2.JIS規格のアクセサリーシューをファインダーカバー部に追加装備。
3.シャッタースピードダイヤル、シャッターボタンなど、各部の防滴性を強化。
4.ファインダースクリーンにB型(マット式)を標準装備。
5.レリーズロック機構をメカニカル式に変更。
6.フィルムカウンター窓を丸くするとともに、カウンターの色を白に変更。
7.フィルム感度(ISO)目盛表示窓にカバーを装備。
8.シャッタースピードダイヤルおよびシャッターボタンの高さを変更。
9.以下の装備を省略(多重露出レバー/セルフタイマー/裏蓋開閉ロック/ケーブルレリーズソケット/アイピースシャッター/1/80空写し機構)
また、ファインダーカバー上部のアクセサリーシューでは、TTL調光撮影は行なえない。

外観上の大きな違いは、やはり、ファインダー上のアクセサリーシューである。NIKONのフラッグシップ機はF以来、巻戻しクランクと同軸上に、専用のシューが装備されており、スピードライト撮影をするためには、この部分に専用スピードライトを装着する設計になっていた。この方式だと、フィルム交換の度に、スピードライトを取り外す必要があるという不便さがあった。(シンクロソケット使用時は除く)F3Lには、JIS規格のシューが付けられて、TTL調光が出来ないとはいえ、この不便さが幾分解消された。
また、シャッタースピードダイヤルと、シャッターボタンの高さ変更は、巻き上げレバーを畳んだ状態(つまりモードラ使用時)でも、この部分の操作がしやすいようにとの配慮である。
他、防滴性強化や、フィルムカウンターの視認性向上なども、すべて、報道現場からのリクエストに答える形で制作されたF3Pの機能を引き継いでいる。
また、このF3Lには、上の写真のような、特製ストラップが付属している。デザインは、当時のプロストラップに、材質、デザイン共、酷似している。

元箱は、通常モデルとは全く違った特製デザインで、艶ありブラックベースに「F3」のゴールドの文字と、「Limited」のレッドが良く映えている美しいものである。
箱の中には、本体の他に、F3Lの通常モデルとの相違点を示したブルーの紙と、上記のストラップが、元箱同様のデザインの小箱に入ったものが同梱されている。
このモデルは、93年の9月頃、噂を聞いたと思ったら、あっという間(受注期間10月31日まで)に受注が終わってしまった。
F3Lの発表時のチラシ(注文書が一緒に付いている)
(画像:ROCKEさん提供)
大体において、NIKONがこのような報道限定モデルを一般市販したことにも驚いたし、このような振る舞いは、F2の生産中止直前に、F2Tを一般市販した時の状況にあまりに似ていて、「とうとうF3も生産中止かあ」と感慨深く思った。
しかしながら、これが嬉しい誤算であったことは、現在でもF3が継続販売されていることで明らかである。
またこのF3Lの受注とほぼ同時期に、FM2/Tが発表され(発表10月、発売12月)、チタンカメラ好きの筆者などは、その資金調達に奔走したことが思い出される、、、。
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