Nikon
F2Titan(name有り)

このモデルの原形であるNikon
F2は、それまでのフラッグシップであったFの後継機として1971年9月に発売された。
F2は、 F
の様々な問題点を見直し、基本性能をアップさせた良いカメラであったが、70年代中盤からのカメラの自動化、電子化の流れの中で、ファインダーの進化などで対応するも、市場はブランニューモデルを求め、ニコンのフラッグシップとしての役割を1980年発売のF3に譲ることとなった。
F2チタン(Titan刻印有り)は、F2生産終了直前の79年、報道特需用のF2チタンモデルを一般向けに発売したものである。
元々は、1978年、故植村直己氏が北極点の犬ゾリ単独行に携帯した「F2ウエムラスペシャルモデル」がF2の外装をチタンに換装したものであった。同様のモデルがその後報道用として生産され、さらにその後、一般に発売された。

通常モデルとの差異については、外装パーツの違いとシリアルNo.の違いが挙げられる。
外観については、まず、目立つのが、向かって左肩の「Titan」の筆記体の刻印である。通常、F2は、Fのようにペンタプリズム部に刻印が無いため、シンプルな印象を受けるが、このような刻印があると、通常モデルとはまた違った印象になる。
もう一つの外観上のポイントは、その表面仕上げである。当時の日本光学はこの塗装を「縮緬塗装」と呼んでいる。このザラッとした仕上げは、このスペシャルF2を、通常モデルとうまく差別化するのに貢献している。
シリアルNo.については、通常のF2が「F2
7100001」からであるのに対し、「F2T
790001」からとなっている。通常モデルが7桁のシリアルNo.を持っているのになぜこのモデルだけ6桁のシリアルNo.になっているかは不明であるが、番号の前の「F2T」の「T」の部分を増やした為に7桁の番号を刻印出来なかったためではないかというのが通説である。
また、シリアルの頭の「79」は、このモデルが79年の発売であることに起因していると思われる。

元箱については、通常モデル同様の箱に銀色ベース赤文字のチタン銘入り丸シールが貼られている。
チタンモデルの特徴を記したグレーの紙が説明書と同梱されている。

箱の内容物については、通常と同様の取扱説明書の他に、チタンモデル専用の紙が入っている。また「ご愛用者カード」のモデル欄には、最初から
F2チタンを表す専用シールが貼られている。
数多いチタンカメラの中でも、このF2Titanは、その優美な佇まいと、その歴史的経緯から、今でも根強い人気があり、新品同様の物は、当時の定価の数倍の価格で取り引きされているようである。
こちらは、同じF2チタンでも、こちらは「Titan」刻印無しのバージョン。

刻印の有無以外には、外観上および機能上の違いは見受けられない。

但し、シリアルNo.については、刻印ありのモデルは、先述したように、「F2T
79****」と、「79」が頭の6桁のものであるのに対し、こちらのバージョンは、「F2
920****」と頭が「92」で且つ、7桁である。