Nikon F2 Highspeed Motor Drive Camera

F2HMDfront.jpg F2HMDrear.JPG

日本光学が世界に誇った、ハイスピードモータードライブ付きのF2である。

F2HMDside.JPG 下部重量が重いため、バッテリーパックMB100のサイドにストラップ取り付け用の金具が備えられた。

このカメラ以前にも、日本光学工業は、高速モータードライブ付きのカメラを、報道関係者の要望によって作っている。1972年に札幌で開催された冬季オリンピックの為に、NIKON Fをベースにした7コマ/秒の高速モータードライブカメラが発表された。但し、このカメラは、7コマ/秒の最高速で使用する場合には、ミラーアップを必要とした。そのため、このカメラのファインダー部分は、クリップオンタイプのスポーツファインダーを装着できるように改造されている。

 

その後、日本光学社内では、ガラスミラーの代わりに、ペリクルミラー(半透明膜、CANONはこのタイプを使っている)を、ミラー位置に組み込む事も、検討されたが、取扱いや保守の面から採用に踏み切る事が出来ず、研究開発を重ねた結果、高性能極薄ガラスハーフミラーの開発に成功、1974年には、9コマ/秒の、新しい高速モータードライブカメラを送り出す事に成功した。このカメラは、1976年のモントリオールオリンピックでも使用され、数々の競技の撮影に使われた。

F2HMDmd100.JPG MD−100とMB−100。

F2HMDshould.JPG T(タイム)およびB(バルブ)、1/2000は省略されている。

 

このような一連の流れの中で、F2ベースでの高速モータードライブカメラの開発が進められた。

<日本光学のF2H−MDに対する開発方針>は、

1.最高速度10コマ/秒の連続撮影。

2.最高速度で1/250sec.のシャッターが使える事。

3.ニコンF2用のモータードライブシステムの諸機構は、出来るだけ残し、高速撮影の過酷な条件にもかかわらず、耐久性、耐寒性を含めた信頼のおける機械。これらを十分に満足できるシステムを供給する事。

であった。

<構成>

スペックは、別表に記するが、構成としては、次の4つのユニットから成る。

1.F2Hボディー

2.高速モータードライブMD−100

3.直結電池ケースMB−100

4.クイックチャージャーMH−100およびニッカド電池パックMN−1(4本)

<特徴>

1.MD−100との組み合わせで10コマ/秒の連続撮影可能。

2.T(タイム)、B(バルブ)、1/2000は省略されている。

3.セルフタイマーも省略されている。

4.解像力に影響を与えぬよう、極薄の固定ガラスハーフミラー採用。(透過光65%、反射光35%)

5.絞りは絞り込み。通常モデルの絞り込みボタンの位置に、絞り開放ボタンを装備。

6.ボディーのシリアルNo.は7850001、モーターのシリアルは785001から始まっている。

7.ファインダースクリーンは前面マットのB型が固定

8.チタン外装

F2HMDpaper1.JPG 取り扱い説明書F2HMDpaper2.JPG 報道機関向け小冊子

シリアルNo.は785万台の前半部分に集中して見られる。またモータードライブMD−100のシリアルは、その丁度1/10、78万台の前半の物が多い。

また、先述したように、ストラップ取り付け位置が、ボディー下部にあるため、通常のストラップでは、取付金具まで、ストラップが届かない。したがって、ストラップも、レモンイエローの専用プロストラップを使用することとなる。

<SPEC>

高速モータードライブ用F2カメラボディー(チタンボディー)
シャッタースピード 1,1/2,1/4,1/8,1/15,1/30,1/60,1/125,1/250,1/500,1/1000,

1/80(1/60と1/125の間の赤線)、1/80-1/1000までは中間スピード使用可能

フラッシュシンクロ スピードライト使用時 X(1/80)−1秒

但し、連続撮影時は同調不可能

ミラー 半透明固定ミラー(透過65%、反射35%)
ファインダー アイレベルファインダー
ファインダースクリーン B型(全面マット)
絞り操作 手動絞り(押しボタンにより絞り開放可能)
重量 約700グラム
当時の価格 ¥172、000−(報道向け限定、一般市販無し)
高速モータードライブMD−100
連続撮影コマ数 3コマ/秒−10コマ/秒
コマ速度変換 H(10コマ/秒、1/250以上)、M3(7.5コマ/秒、1/125以上)、M2(6コマ/秒、1/60以上)、M1(3.5コマ/秒、1/60以上)、L(3コマ/秒、1/30以上)の5段階
リモートコントロール 可能
重量 約480グラム
当時の価格 ¥140、000−(報道向け限定、一般市販無し)
高速モータードライブ用直結バッテリーパックMB−100
使用電源 ニッカド電池MN−1を4個使用(単三乾電池使用不可能)
バッテリーチェック LED1灯 点灯表示
重量 約900グラム(MN−1,4個含む)
当時の価格 ¥35、000−(報道向け限定、一般市販無し)
高速モータードライブ用クイックチャージャーMH−100
充電時間 MN−1を4個同時に約2−3時間で70−80%充電可能
重量 約1450グラム
当時の価格 ¥35、000−(報道向け限定、一般市販無し)

 

 

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