すぐわかるグイン・サーガ


 栗本薫さんが書かれている全百巻予定の大河小説グインサーガ、すでに50冊を越えています。それぞれのあらすじを主観を思いきりまじえて語ってみたいと思います。これさえ読めばグイン・サーガをかじった気になれます。
 なお話の内容にふれていますのでこれから読もうという方は注意してください。

「豹頭の仮面」(PERSONA OF PANTHER)
<あらすじ>
 突如出現した豹頭の戦士グインが逃走中のパロの遺児リンダとレムスを助けて スタフォロス城から逃亡する。
<みどころ>
 すべてを悟りきっているようなグインの態度
<感想>
 辺境近くの話なのでおどろおどろしい怪物などが違和感無くとけ込んでます。


「荒野の戦士」
「ノスフェラスの戦い」
「ラゴンの虜囚」
「辺境の王者」
「アルゴスの黒太子」
「望郷の聖双生児」
「クリスタルの陰謀」
「紅蓮の島」
「死の婚礼」
「草原の風雲児」
「紅の密使」
「クリスタルの反乱」
「トーラスの戦い」
「パロへの帰還」
「三人の放浪者」
「サイロンの悪霊」
「ノスフェラスの嵐」
「サリアの娘」
「黒曜宮の陰謀」
「運命の一日」
「風のゆくえ」
「赤い街道の盗賊」

「パロのワルツ」(PATTERNS IN PARROS)
<あらすじ>
救出されたスカールはパロの宮殿へとつれてこられる。スカールのによりイシュトヴァーンの消息が知らされリンダとナリスは大きな衝撃を受ける。またスカールが知るノスフェラスの秘密を巡りナリスとレムスが策謀を巡らす。
<みどころ>
全部(全編通しておもしろいです)
<感想>
イシュトヴァーンとリンダの関係をナリスが知り、スカールがイシュトヴァーンの過去を知る。こういった新しい局面に人がどう対応していくのかが、きちんと書き込まれているのがよかった。読者としては知っていたことを当事者がどう受け止めていくかがのように伏線が解消される話はおもしろいです。


「白虹」(ARCUS ALUBULUS)
<あらすじ>
 怪我から立ち直ったイシュトヴァーンはアムネリアスを利用してモンゴールの大公となるためにミルヴァの砦を捨てクムへと旅立つ、グインは陰謀のもとを突き止めるためにケイロニアの軍籍を捨て自分の部下たちとユラニアの中枢へと進軍を開始する。スカールは近代化された草原に別れを告げつまリーファの敵をとるために草原を旅立つことを決意する。
<みどころ>
 スカールが草原に帰ったが昔の草原とは違うことを実感するところ。
<感想>
 グイン、スカール、イシュトヴァーンそれぞれが新たなる状況を求めて旅立つ巻なのですが、スカールがかっこよすぎ、スカールがいろいろな人と再会するのが楽しみです。ちなみにタイトルの形式が「*の*」ではなくなってます(たしかに「白の虹」じゃおかしいな)


「光の皇女」
「アルセイスの秘密」

「闇の司祭」(MAGUS OF THE MACABRE)
<あらすじ>
 イシュトヴァーンは虜囚となっていたアムネリスをつれてクムの離宮から無事脱出し、グインはついにユラニア首脳陣と会談する。会談の終わった後の夜、グインは闇の司祭グラチウスの魔力によりユラニア宮殿の奥深くやノスフェラスなどにその魂をとばされ、さまざまな様子をうかがい知る。
<みどころ>
 グインがノスフェラスに帰還するところ。
<感想>
 久しぶりのノスフェラスです。前半部分のユラニアでの話やイシュトヴァーンの話よりもノスフェラスでの話がお気に入りです。


「サイロンの豹頭将軍」
「ヤーンの日」
「ヤヌスの戦い」
「モンゴールの復活」
「愛の嵐」

「神の手」(DIVINE DESIGN)
<あらすじ>
 いろいろなしがらみから現状に不満を持ち始めたイシュトヴァーンはフロリーとともにモンゴールから逃げ出すことを決意する。そして決行の日、沿海州からカメロンがトーラスへとやってくる。
<みどころ>
 イショトヴァーンが現状から逃避することを決めるところ。
<感想>
 彼らしいといえば彼らしいらしい考えでイシュトヴァーンが動いていきます。どうも彼は王ならない方が幸せなようなに思えるのはわたしだけでしょうか。


「剣の誓い」
「クリスタルの婚礼」
「虹の道」
「黒い炎」
「アムネリアの罠」

「獅子の星座」(THE LEONINE LOCUS)
<あらすじ>
 シルヴィアを救出するために、ユラニアへと再度出兵することを決意するグイン。誘拐犯であるダリウス討伐のための檄に応じる形でイシュトヴァーンもユラニアへと出兵をする。
<みどころ>
 出兵に際して魔術師であるルカがグインに「彼は昔の彼ならず」と忠告するところ。
<感想>
 シルヴィアを救出した後に、ケイロニアの王となるように諸侯やアキレウス大帝から望まれるグイン。どうもご都合主義の現れのように思えて仕方がない。


「カレーヌの邂逅」
「エルザイムの戦い」
「炎のアルセイス」
「ユラニアの少年」
「闇の中の怨霊」
「アムネリスの婚約」
「美しき虜囚」
「緋の陥穽」
「闇の微笑」
「ドールの時代」
「異形の明日」
「ガルムの標的」
「紅玉宮の惨劇」
「ゴーラの一番長い日」
「野望の序曲」

「ヤーンの星の下に」(IN THE JUDGEMENT OF YEAHNE)
<あらすじ>
 タリオ大公を討ち取ったイシュトヴァーンはクムの首都ルーアンに向けて侵攻する。ルーアンに迫ったときイシュトヴァーンはクムにタリオ大公の三男タリクの無事を告げることにより、クムに未来の選択を迫る。その交渉の合間にイシュトヴァーンはナリスと密約を結ぶために極秘にマルガへと向かう。
<みどころ>
 グラチウスとユリウスとの会話
<感想>
 イシュトヴァーンがナリスに会いにいくのは予想もしなかった急展開です。次巻であるであろうイシュトヴァーンとナリスの再会が楽しみです。


「運命のマルガ」(THE MOIRAI OF MARGA)
<あらすじ>
 自らの野望を実現するために、ナリスと手を組むためにマルガに潜入する イシュトヴァーン、ナリスに運命共同体になってくれるように頼み込むイシュトヴァーンに ナリスはそれを受ける。ヴァレリウスもナリスとともに、ナリスをパロの王座につける決意をした。
<みどころ>
 イシュトヴァーンとナリスの因縁の再会
<感想>
 ナリスとヴァレリウスとイシュトヴァーン全員性格が変わってしまったのか、と思わせるような展開でした。みんな予想外の行動をとりすぎる。


「覇王の道」(THE WIELDER'S WAY)
<あらすじ>
 ナリスとの会談をすませたイシュトヴァーンは帰路につく。 帰路ヴァレリウスやグラチウスなどから自分を取り囲む状況や、 イシュトヴァーン自身が世界の運命に大きく関わっていることを知らされる。
<みどころ>
 ヴァレリウスがイシュトヴァーンに覇王の道について伝える場面
<感想>
 話が進むにつれてアリがだんだん小物になってってしまっているような気がする。 展開的には無難に進みつつあると思った。


「ガルムの報酬」(THE RIGHTEOUS RETRIBUTION)
<あらすじ>
 マルガからクムへと帰還したイシュトヴァーンは、カメロンとともに アリを殺すことを決意する。何も知らずにイシュトヴァーンのもとへと訪れたアリは イシュトヴァーンの手によって斬り殺された。
<みどころ>
 カメロンがアリをイシュトヴァーンに切らせることを決意する場面
<感想>
 長い間イシュトヴァーンの軍師をつとめていたアリがついにイシュトヴァーンの手によって斬り殺されました。しかし、最初のころは妄執を持っているが、国際政治や陰謀などでは活躍することが可能だったイメージがあった彼も、ここ最近ではただの変人とかしてから死亡してしまって、まさにいいところなしといった感じです。


「赤い激流」(THE SANGUINARY STREAM)
<あらすじ>
 イシュトヴァーンはゴーラの王位につくためにユラニアを滅ぼすためにユラニアに向けて進撃を開始するが、モンゴールから帰国命令が下される。一方パロではイシュトヴァーンと手を組んだナリスがパロの王位を簒奪するために陰謀を進めていた。
<みどころ>
 一番最初に書かれているリンダの言葉。
<感想>
 一番最初に書かれているリンダの言葉で個人的にリンダの評価一気にダウンしました。イシュトヴァーンを捨ててナリスを選んだことを悔やんでいるばかりか、3年たっても迎えにこなかったイシュトヴァーンを責めているのは自分勝手すぎないか。パロでのナリスの陰謀は何か急ぎすぎているような気がする。もうすこりじっくりとでも、完璧を期す野がナリスのイメージだったのに、まあ失敗するんだろうな。


ユラニア最後の日(THE TOWLOS OF YULANIA)
<あらすじ>
 イシュトヴァーン率いるモンゴール及びクム対ネリー及びタルーが率いるユラニアとの最終決戦はイシュトヴァーンの活躍によってモンゴール及びクム軍の勝利となる。一方、ケイロニアではグインの帰還、及びオクタヴィアの出産に対応するために軍を動かすことを決定する。
<みどころ>
 イシュトヴァーンが切られていることにも気づかぬぐらい戦いに熱中しているところ。
<感想>
 魔道師が閉じられた空間で移動できることや遠話で話せるという設定により、すっかり戦争などに現実味が感じられなくなってしまいました。結局イシュトヴァーンがいっているように魔道師を使うとができれば現在おこなわれている戦争が簡単に集結させることができるということは、魔道師がいるかぎり軍と軍とのぶつかり合いという戦争は起きなかったということになりますその点で、魔道師がいなかった現実世界の戦争方式を小説の中に持ち込むのは無理があるのでは無かろうか。


−外伝−


「七人の魔道師」

「イリスの石」(AMULET OF AERIS)
<あらすじ>
 赤い街道で死にかけていたマリウスはグインに助けられグインとともに旅をする。その旅の途中迷い込んだ死の町ゾルーディアで、グインたちは死の王、死の娘、イシュトヴァーンなどのイリスの石を巡る争いに巻き込まれる。
<みどころ>
 イシュトヴァーンが手下をしっかりと運営するところ。
<感想>
 おどろおどろしい冒険が中心となっているが、永遠の生命を持つタニアの内面を掘り下げて書くと別の意味でおもしろい作品ができたかもしれないと思う。


「幽霊船」(A VESSEL THAT VANISHED)
<あらすじ>
 オリー・トレヴァンから逃げるため、カメロンとともにクラーケン退治の旅に出たイシュトヴァーンだが、二人の乗るオルニウス号は沈められる。イシュトヴァーンはヴァイキングの船に助けられるがその船もクラーケンに戦いを挑み沈められる。その後、生きていたカメロンとともにクラーケンを退治することに成功する。
<みどころ>
 イシュトヴァーンが賭場で活躍するところ。
<感想>
 良くも悪くもヒロイックファンタジー小説という感じになっています。圧倒的な力を持っていたクラーケンがイシュトヴァーンにあっけなくやられたり、全滅したと思っていた船のなかでカメロンだけがいきていたり、おもしろくないと思った人はとことんおもしろくないと思えるつくりです。


「氷雪の女王」 (FEMME FROST)
<あらすじ>
 グインは見者ロカンドラスを求めて、マリウスはグインのサーガのため、イシュトヴァーンは財宝を手に入れるため北方へと足を踏み入れる。3匹の妖物に守られた最果ての国ヨツンヘイムにだどりついたとき、グインはじぶんの正体を得られないことを、イシュトヴァーンは財宝を、マリウスは恋を見いだした。
<みどころ>
 マリウスとクリ−ムヒルドが別れるところ。
<感想>
 前半のヴァルキューレの村での話と、後半のヨツンヘイムでの話に大きく別れるのですが両方ともストーリーはどこかで聞いたことがあるようなとった感じをうけけ、「幽霊船」と同じように良くも悪くもヒロイックファンタジー小説です。


「時の封土」

「ヴァラキアの少年」(VENTURER OF VALACHIA)
<あらすじ>
 イシュトヴァーンが十六歳とき、ふとしたことでヨナという少年を助けた。その後ヨナの家族を助けるためにイショトヴァーンはヴァラキアの貴族ことをかまえることを決意する。
<みどころ>
 賭博でのイシュトヴァーンとブルカスと一騎打ち。
<感想>
 長編小説ならではのさまざまに張られた伏線が楽しみ、ヨナとイシュトヴァーンがいつ再会するのか、ミロク教とイシュトヴァーンはどのように関わっていくのかなど気になることがたくさん書かれています。


「十六歳の肖像」(SILHOUETTES AT SIXTEEN)
<あらすじ>
 ナリスはグラチウスと出会い自分の知らなかった過去を知る。マリウスはナリスと音楽どちらをとるか迷い続けていた。ヴァレリウスがどうして魔道を志すようになったか。スカールの初恋。それぞれの16歳のころの短編集です。
<みどころ>
 ナリスがこれからの生き方を決意するところ。
<感想>
 四つの短編の中ではスカールの話が一番好きです。特にスカールを草原の象徴、ナウカシアを町の象徴として話すくだりが気に入ってます。マリウスの話はもう少しめりはりがあった方が楽しめたような気がする。


「星の船、風の翼」(STARRY SHIP WINDY WING)
<あらすじ>
 ナリスは十八歳の誕生日を迎えた日、クリスタル公になる。ナリスがクリスタル公になることに不満を持つものを押さえるためにいろいろと画策を巡らすナリス、一方で出奔を決意しナリスのもとを去るマリウス二人の若き日々。
<みどころ>
 ナリスを誘拐したのに自滅していく悪者たち。
<感想>
 ナリスがごく普通の野望をもった人として描かれているのが不満、ナリスはもっと神秘的なイメージを持っていたので違和感を感じる。またマリウスが出奔するところの理由付けも弱い。


「マグノリアの海賊」(MUTINEERS OF MAGNOLIA)
<あらすじ>
 若き日のイシュトヴァーンが南の島ダリアで繰り広げる。三人の女性との恋物語。
<みどころ>
 イシュトヴァーンが玉石のペンダントをナナに渡すところ。
<感想>
 イシュトヴァーンよりも三人の女性が主役という感じを受けます。ルネの描写が少ないのがちょっと不満です。


「幽霊島の戦士」
「フェラーラの魔女」

「魔王の国の戦士」(WARRIOR IN THE WORLD OF THE WIZARD)
<あらすじ>
 ホータンにつれてこられたグインはさかさまの塔を探し出しマリウスを助けることに成功する。
<みどころ>
 もう一人のグインのせりふ
<感想>
 フェラーラのことはすっかり忘れているんだろうか。あとホータンのふたりの少年はもう一組のナリスとイシュトヴァーンに思えて仕方がない。


「鬼面の塔」(THE TOWER OF THEURGY)
<あらすじ>
 マリウスを無事救出したグインは、シルヴィアを救出するために鬼面の塔へと向かう。 塔ではグラチウスが待ち受けておりグインと会見した。
<みどころ>
 なし <感想>
 だらだらとしたストーリーと、突拍子もない展開で読んでて疲れてしまいました。 土地神や物神がいきなり当たり前のように出てきてたり、宝石がほとんど説明無くしゃべったりしても、 読んでいる方にとってはとまどうだけだと思う。 ところでこの宝石は辺境編で述べられていた3人の運命の女性と関係あるのかな。


「夢魔の四つの扉」(THE MOUTH OFTHE MORBID MARES)
<あらすじ>
 鬼面の塔の中の奇妙な世界の中を突き進むグイン、塔に巣くう物神を倒しながら塔の最上層まできたとき、塔の主はホータンの守りを捨てグインを倒すことを決意する。
<みどころ>
 グインとク・スルフとの出会い。 <感想>
 ついにグインの世界にまでクトゥルーが出てきてしまいました。しかも魔界水滸伝をにおわせる発言までしている。少なくとも二つの話のつながりをにおわせるだけにしておき、二つの話が一つの世界に帰着することがないようにだけ願います。


「ホータン最後の戦い」(THE HORRENDOUS HAVOC OF HOTAN)
<あらすじ>
 鬼面神ライ=オンを倒しようやくシルヴィアを救い出すことに成功したグイン、しかしシルヴィアを救い出すためにホータンでおこなった行為は一方でヤンダルゾックのホータン支配の野望への手助けとなっていた。
<みどころ>
 グインと望星教団教主ヤン・ゲラールとの出会うくだり。
<感想>
 まるで性格の違うグインという人物が2,3人いて交代で出てきているような印象を受けるくらいに、グインの行動及び考えに一貫性が感じられない。リーリンレンたちが虐げられていたのに義憤していたのに、そのリーリンレンたちが大人たちを虐殺することをほめるのは間違っているのではないだろうか?また、所々に、アンチ・クライマックス(一般名詞なのか?)、何千人いようとグインの敵ではない、剣も貰えたことだし勇気百倍、という何だかなあと思われるいいまわしが使われていて残念。


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