ACT9.構図を考える
さて、いままでは基本的なカメラに関する知識を深めてきましたが、ココからはちょっとだけ実践的に、構図を考えてみよう。そもそも、構図ってなんなんでしょう?普段あまり考えないですよね。自分の感じるままにシャッターを切っていることでしょう。“感性の赴くままに写す”それでいいんですが、何かが違うってカット、有りませんか?その何かとは?何でしょう?何なんですかね?答えは闇の中って人、多いと思います。そこで、この構図ってことをちょっと考えてみましょう。何か?の謎が解けるかもしれません。
あっ、そうそう、基本的なことはたぶん間違ってないと思いますが、写真好きdomonにプラスしてデザイナー(本職)domonの個人的な思考が入っています。私なりに構図というものを独自に考えた物なので、いわゆるプロカメラマンの見解とは異なると思います。参考程度にしてくださいね。
ACT9-1.構図の前に黄金比率
構図の前に黄金比率ってものを知っておいて損はないと思います。
黄金比率とはもっとも美しいとされる面の比率です。この黄金比率の画面の構成はすごく簡単なものです。縦横、それぞれ3分の1等分に画面を分割した物。コレだけです。(図A参照) |
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ここで、簡単な黄金比率チェッカーを作ってみましょう。(図B参照)
まず、用意するのは35mmのフィルムマウント。無ければ35mmフィルムのコマの大きさに合わせて切り抜いた厚紙でも結構です。そして糸(色は黒が見やすいです)と接着剤(瞬間接着剤が便利)。コレだけ。
1.縦、横の辺を3分の1づつにし、それぞれに印をつけてください。
2.それぞれの印を垂直に結ぶように糸を張ってください。
3.接着剤で固定。
4.閉じたら完成。
カンタンでしょ?

使い方もカンタン!撮影したコマの上に重ねるだけ。自分がイイ!と思っていたコマの上に重ねてみてください。あら不思議。画面を構成している主要な部分が糸の上に重なりませんか?え?重ならない?.........(-_-;)
次にいまいちだなぁ何でだろ?と思っているコマにチェッカーを重ねてみてください。すると...、またまた不思議、画面を構成する主要な部分は糸と重ならない!え?重なった?......(-_-;)
さぁ、次はいよいよ構図に..!って逃げるなよ!(-_-メ)
ううっ、失礼。つまり、この黄金比率のラインの上で画面が構成されていると非常に落ち着いた安定している画面になるってことさ。相手が人間である以上、そう思ってしまう不思議な比率黄金比率。どう?一度意識して撮ってみては?(どうも目が2ツあることが関係しているらしい。片目をつむると正方形が一番美しい、安定感があると感じる。)
ACT9-2.色々な構図
さて、黄金比率のことはご理解頂けたでしょうか?確かに安定した画面は基本中の基本であり、大切なことですが、安定したバランスの取れた写真だけでは面白みが有りません。アンバランスなバランスとでも言いましょうか。たとえていうなら、毎日カレーばかりでは飽きるということです。たまにはすき焼き食いてー!おおーっ!!あっ、すいません、取り乱しました。ま...まぁ、そういうことです。わかんねーよ!とおっしゃる方、ごもっともでございます。ここからは色々な構図を紹介していきましょう。
| ■日の丸構図(図C参照) |
| 記念撮影などで もっとも多く見られる構図。とにかく分かりやすい。 |
| ●特長 |
| 主張をセンターに配置するので、見やすく、分かりやすい。 |
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| ■三角構図(図D参照) |
| 被写体を三角形に配置した構図。 |
| ●特長 |
| 奥行きや、高さを表現しやすい。 |
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| ■対角構図(図E参照) |
| 画面の対角に被写体を配置した構図。または対角線上に配置した構図。 |
| ●特長 |
| 構図自体がななめ構成なので、動きを表現できる。 |
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| ■対象構図(図F参照) |
| 画面の左右、もしくは上下で被写体を対象に配置した構図。 |
| ●特長 |
| 水面に映った被写体などはトリッキーな効果が出ておもしろい。 |
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| ■曲線構図(図G参照) |
| 画面にSの字を書くように被写体を配置した構図。 |
| ●特長 |
| 連続した線が続くことで、奥行きを表現しやすい。 |
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| ■水平構図(図H参照) |
| 画面を水平な線で構成した構図。 |
| ●特長 |
| 画面に添うラインで構成されるため、非常に安定感のある作画ができる。 |
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| ■垂直構図(図I参照) |
| 画面を垂直な線で構成した構図。 |
| ●特長 |
| 画面に添うラインで構成されるため、非常に安定感のある作画ができる。 |
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| ■放射構図(図J参照) |
| 画面に放射状に被写体を配置した構図。 |
| ●特長 |
| 画面にググッと迫る、迫力がでる。視線を引きつける効果は大。 |
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| ■枠構図(図K参照) |
| 画面の周辺に枠組みを作るように、強く被写体を配置。その中に主張したい部分を置く構図。 |
| ●特長 |
| 良くも悪くもフレームしだい。いかに面白いフレームを見つけられるかがカギ。 |
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| ■斜線構図(図L参照) |
| 画面に斜めに分断する線を入れた構図。 |
| ●特長 |
| 画面の斜めに線が走るので、奥行きが表現しやすい。 |
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| ■点構図(図M参照) |
| 1点を意識するように構成された構図。 |
| ●特長 |
| 1点に引き込まれるようにするため、印象深くなる。点が全てな為バランス配分が難しい。 |
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| ■パターン構図(図N参照) |
| 連続した点で構成された構図。 |
| ●特長 |
| 配置のリズムが命。単純に並んでいるものを撮っただけでは作品として仕上がりにくい。かくし味が必要。 |
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| ■色面構図(面構図)(図O参照) |
| 面(色面)を意識して配置した構図。 |
| ●特長 |
| バッチリ決まったときの見た目の印象はかなり深い。決まらないと、うるさいだけの写真になるので覚悟して。 |
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| とまぁ、コレぐらいが思いつく限りの代表的な判りやすい構図でしょうか。しかし、これはあくまでも参考に過ぎません。この構図に当てはまれなければ悪い構図ってことは無いので、自分なりにいろいろ考えて撮って見ましょう。 |
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ACT9-3.基線の移動
さてさて、基本の構図を紹介しましたけど、これだけでは何か物足りない。そこで、今度は基線を意識してみましょう。ここでの基線とは構図を構成する基本となる線のことをいいます。この基線を移動することにより、構図のヒントを新たに発見できることでしょう。
基線の移動例

主体がセンターにあると単なる日の丸構図ですが、基線を移動して背景をだしてみましょう。さらに背景を大きくボカスことにより、主張はハッキリしたまま、ちょっとこだわってるなという感じになりました。このように、空間を大きく空けて配置することを空間バランスをとるといいます。写真の場合、空間バランスをとるだけではうまく構図が決まらないのが困り者。そこに色と奥行き、ボケ具合と色々な要素が加わってきます。カンタンな方法としては被写体と背景との距離をどーんと空けて、被写体にググッと近寄り、背景を大きくボカスことですね。圧縮効果と、ボケが大きいことを利用して、 望遠レンズを使用がいいですね。またこの時、黄金比率のことも頭に入れて、被写体を何処に置けば落ち着きのあるバランスになるのかも考慮するようにしましょう。
ex.基線の移動をした構図

どうですか?基線の移動。このように基本となる構図からアングルを少しずらすだけで、だいぶ印象の違う構図になります。
構図が決まらないとお悩みの方は、まず基本となる構図通りにアングルを構えてみて、シャッターを切る前に一息置いて“ずらす”という方法をとってみてはいかがでしょうか?
ACT9-4.ピントの移動
構図の取り方としての応用をしてみましょう。○○構図っていったって、なにもピントの山が基線に来ている必要はありません。一度決めたアングルからピントをずらして見ませんか?
その前に被写界深度にこだわってみましょう。被写界深度っていうのは、ココまで読んでくれた人にはもう、承知の事ですよね。え、知らない?“ACT-3-2.レンズを説明する前に”を読んでね(^_^;)
まぁ、早い話、「どこまでピントが合っている範囲に入れるか」なんですけど。コレによって、イメージはだいぶ変わります。
例を上げてみましょう。


風景写真などは隅々まで自然の造形美を見て欲しいから、パンフォーカス(画面の手前から奥までピントが合っていること)で撮ることが多いですね。しかし、花などに近寄って撮るときにこのままだと何だかごちゃごちゃして、画面がうるさいです。(図Q)そこで、被写界深度を調整してみましょう。ここでは画面をスッキリと整頓させるため、被写界深度を浅くします。つまり、絞りは開けるということですね。ほら、背景が大きくボケて画面がスッキリとしました。(図R)
被写界深度を調整してピントの合う範囲を調整することは画面を整理するうえで重要なポイントです。ここはしっかり押さえておきましょう。
さて、ココから“ピントをずらす”ことについて話しましょう。
(図R)ではピントの山を一番手前の被写体に置きました。では被写界深度、アングルはこのままでピントをもう少し奥に移動してみましょう。すると手前の被写体が大きくぼけてきましたね。(図S)

これがいわゆる“前ボケ”です。前ボケを入れることで大きくイメージが変わりましたね。ボケ→ピント→ボケと画面に階層を持たすことで、空間を感じさせることができます。日を入れ込むなど、光を意識すると、柔らかな優しいイメージづくりには持って来いですね。しかしこれは慣れないと目で見るだけではなかなかココだって場所が見つからないと思います。そこでまず、花など密集して居るものを見つけましょう。そこでマクロレンズや、200mmF2.8などの大口径望遠レンズなどを三脚で構えて、ファインダーで探してみましょう。ここだ!と思ったところで三脚を固定し、ピントをずらして見てください。するとそこには違った世界が見えてきます。
ちょっと応用して、この“前ボケ”をつかった構図を考えてみてください。レベルアップ間違いなしです。
ex.前ボケを使った三角構図
ACT9-5.構図にリズム
構図にリズム?なんのことやら?って感じですね。実際このような言葉が使われているのかどうか分かりませんが、私はそう呼びます。で、なんのこと?っていうと、大ざっぱに言えば構図のかくし味といいますか、コクといいますか、写真に“深み”を与えるものです。
では、実際にどんなものか例を上げてみてみましょう。
まず、最初にすることはイイと思う被写体を見つけること。当然ですね(^_^;)ココからが重要です。その被写体の周りに、またはその被写体が繰り返しているかを見て下さい。ここがポイントです。その繰り返す物を画面に入れるように構図を決めます。実はコレだけのことなんですけどね...。構図の中に繰り返し表現されるパターンを取り込むためにリズムが生まれ、安心感を与えます。
ex.リズムを持たせた構図


ACT9-6.構図の合成
ACT-9.2ではいろいろな構図の代表例を紹介していますが、何もこれに沿った構図が良しとされるわけではありません。ACT-9.5では味としてリズムを持たせました。では更によくばって構図の中に構図を入れてみてはどうでしょう?複数の構図を合わせることでより印象の深い構図が出来るでしょう。

(図T)では斜線構図(図L参照)と放射構図(図J参照)を合わせてみました。どちらも奥行きを表現しやすい構図だけにさらに奥行き感が増し、引き込み効果は抜群です。

(図U)では三角構図(図D参照)で枠構図(図K参照)を創り、中に一点目を引くポイント(点構図:図M参照)を入れてみました。枠構図で安定感を出し、三角構図で奥行き感と高さを表現して、点構図で主張しています。
ex.(図U)の構図

いかがですか?構図の合成。いきなりはちょっと難しいかもしれませんが、チャレンジする価値は十分にありますよ。余り複雑にしないほうがいいですね。コツとしては構図と構図をといったように構図を意識しすぎずに“線”と“点(面)”を意識して組み合わせていったほうがいいですね。
ACT9-7.視線の誘導
何を見て欲しいのかがハッキリした写真は見る人は迷わず見れます。見やすいということはいい印象を少なからず与えているはずです。では見やすくするにはどうしたらイイか?前章で解説した、黄金比率、構図も大切ですが、その構図の中にもう一つのニュアンスを加えてみましょう。それが視線の誘導です。いうなればカレーに福神づけと言ったところです。またカレーかい、と思ったあなた、チャツネでもいいですよ。ってカレーやん...。
では視線の誘導とはどんなものか説明していきましょう。
街中でポスターって、よく見ますよね。あのポスターには必ず視線の誘導が含まれています。まず、目に入ってくるのが、キャッチコピーという、このポスターは何であるかを訴求する文章ですね。そしてそのイメージ写真なりイラストなりが目に入り興味を引きます。(その逆もしかり)そして次に、そのポスターのもっとも言いたいことが目に入ります。気がつかないかもしれませんが見て一瞬で視線は誘導され、このポスターが何であるかを網羅してしまっているのです。これが視線の誘導です。
つまり、隅々まで見てもらう写真ではなく、隅々まで目に入る写真が印象を深くするいい写真なのだと思います。
では、具体的にどうすれば誘導できるのかを説明していきましょう。ヒントは“線”にあります。
画面の中に線を置くことで流れを作ります。簡単な例を見てみましょう。


(図V)のように放射線を引くと必然的に目は中央に来ますよね。また(図W)のように矢印にすると必然的に視線が誘導されます。これが導線です。


自然風景撮るときにそんな矢印なんてねーよ。って方、ご安心を。矢印が無ければ創ればいいんです。(図X)のように先細りの構図にしたら...ほら先に向かって視線は流れるでしょう?(図Y)などは道などがこれに当てはまりますね。

また、(図Z)のように、被写体の大小のバランスで視線を誘導することもできます。自然界の中にもこういった条件がごろごろしています。案外カンタンに見つけられるはずです。
こういった組み合わせでうまく画面に“流れ”を創るのです。あくまでも自然にですよ。説明的な流れではいけません。パッと見たときに流れなければ意味がないですからね。
ex.木を下から撮るだけで視線は誘導できる
ACT9-8.で、良い構図って何なのよ?
9-1章から6章まで、お疲れさまでした(^.^)で、いろいろ構図について述べてきましたが、良い構図って何でしょうか?黄金比率、○○構図、構図の組み合わせ、基線の移動、ピントの移動、リズム、視線の誘導といろいろやってきましたが、これら全てを網羅した写真?そんなことはできっこありません。
では何をどうしたら良い構図になるのでしょう?
美しかった花を撮ったのに写真で見ると美しいと思った感動がない。キレイナハナダ...。で終わってしまう。花を見た感動は写真では到底かなうはずの無いものです。ならば写真で感動を与えるようにしなければなりません。花を見たときに美しいと思った原因の中にはは臨場感とシズル感があると思われます。意識はしていないが、自然と周りから伝わってきているはず。すなわち花だけを見て美しいと思っているわけでは無いのです。それなのに写真は花だけを撮っている。これが写真にした時に感動しない原因だと思われます。さてそこで周りも一緒に撮ろうってなったときに、どう入れるのか?そこで構図を思い出して下さい。つまり構図とは主役を引き立たせるためのわき役なのです。そう考えれば、主役を引き立たせるにはどうしたら良いかを求めれば良い構図となるわけです。全ては主役のため、そうなるため、一概にこの構図が良いとは言えないですね。
さて、ここまできて何ですが、あまり構図、構図って意識しないほうがいいですよ(^_^;)
ステップアップの方法としては
●感動のままに撮る。
●出来上がりをチェックする。(この時に構図をチェック)
●イイと思った写真の構図を解析する。(解析することで、なぜ落ち着いて見れるイイと思う写真になったのかを知ることができる)
●次に活かす。
この繰り返しが理想ですね。経験を重ねることが大事です。経験を重ねることで構図を理解できるようになっていくと思います。構図を理解するって事は技術の向上につながると思います。良い家を造るには、しっかりした土台が必要です。それと同じく良い写真とはしっかりした技術の上に成り立つものです。ここはあせらないで、じっくりとつきあっていくやり方でむきあってみてくださいね。
それと、撮影にいって余り考え込んでいると出会いを逃すかもしれませんからね。なんやかんやいいましたが、やっぱ、楽しくないとね(>_<)/
ACT9-9.おまけのお話
広告業界には昔からAIDMAの法則ってもんがあります。
A=attention(注目)
I=interest(興味)
D=desire(欲望)
M=memory(記憶)
A=action(行動)
これは広告を見て注目を引き、商品に興味を持たせ、商品を欲しいという欲望をかきたたせ、記憶してもらい、そして、商品を購入するという行動に移らせるといった、販促の原則です。
んん?これは写真にもなかなか当てはまることだぞ。って思いませんか?
そこで、写真好きAIDMAの法則ってのを創ってみました。
A=attention(おっ、コレいいなぁ)
I= imagination(コレ買ったら楽しいだろうなぁ...)
D=desire , done(アレもコレも欲しい!/かっ買ってもうた...(-_-;))
M=Money(銭コが全てや!ビンボーがなんや!!)
A=attention(おっ、コレ欲しいなぁ←懲りない)
身に覚えがありませんか?ってこれ構図に関係ないし(^_^;)
まっまぁ、こんなもんです。以上、おまけでした。